天井の模様
幼い頃、夜寝ると、天井の模様が様々の空想や物語になって、なかなか眠れなかったり
したのを思い出した。今の
合板プリントでなく、父が
凝りに凝って建てた家の天井は、天然木の変わった年輪模様の板張りだった。それは
龍の顔であったり人の顔であったり大きな目に見えたり、桝目を辿って物語になったりした。
入院して、天井を見ている時間が長くなったが、病院の天井はムシクイのような石膏ボードに決まっているのか、今まで見てきた病院は申し合わせたようにこの模様だった。
トラバーチン(虫食い)と言うらしい。
長い時間天井を見ていなければならない身にとっては甚だ退屈、もしこれが虹色だったり、迷路だったり、間違い探しの絵だったり
パズルだつたらどうだろう。或いはお花畑でもいい。暇にまかせてつまらないことを。
いやいやそれでは病人は疲れてしまいますね
やっぱりムシクイのような模様が一番
妥当なのかも知れませんね。