昔むかし、その昔、７０年以上も昔のこと。東京から祖母のところに疎開していたとき(若い人たちにとってはもうお伽噺の領域かも)野蒜という野草の酢味噌和えをたべたことがあった。町なかに住んでいた時は、お目にかかることもなく長い間忘れていたが、今住んでいるところにはあぜ道などにたくさん生えている。我が家の畑の隅にもみずみずしく自生している。暫くぶりに食べてみようとおもいたった。

ねぎのような、エシャロットのような、葉はニラのようなもの。根っこはらっきょのようでもある。大蒜(にんにく)と同じ字が使われていると言うことは、仲間かもしれない。
酢味噌以外の食べ方は知らないので、茹でて酢味噌和えにした。

今夜のご飯

牛丼、　わかめのお汁、　キャベツと大根人参のぬか漬け、　のびるの酢味噌和え、
もっと強烈な個性の野草かと思っていたが、わけぎの酢味噌和えと良く似た、思いの外マイルドで春の香りがしておいしかった。